『ダンケルク』:次世代IMAXレーザーでの再び鑑賞。IMAX技術の凄さを感じすぎる体験、2Dなのにまさにその場にいるような臨場感!!

ダンケルク

「ダンケルク」を観ました。

評価:★★★★★

複数回観た映画を再び感想文を書くのはないのですが、今回IMAXレーザー2D字幕版で観た感想を別記したいと思います。

第二次大戦が本格化してきた1940年。拡大するナチス・ドイツの勢力に、フランス軍と同盟関係にあるイギリス軍が徐々に追い込まれていた。ドイツ軍の猛攻により、フランス・ダンケルク港に追い詰められたのは両軍の兵士40万人。背後は海。陸海空からの攻撃により、全滅寸前の彼らを救うため、軍艦や民間船を動員した前代未聞の救出作戦が始まっていく。。「ダークナイト」、「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督が、初めて挑む実話(=戦争)を斬新な手法でを描く戦争映画。

前回の感想文では作品そのものについて書きましたが、今回、国内唯一のIMAXレーザーで上映していた109シネマズ大阪エキスポシティでの上映について特記したいと思います。

そもそもIMAXについては前のブログでも記事にしていて、IMAX劇場(正確には、IMAXデジタル劇場)は国内にも増えてきました。前の記事を参考にしてもらうと、僕とIMAXの出会いは就職で大阪に始めてきたとき、今は亡き天保山サントリーミュージアムIMAXシアターで観たのが最初で、スクリーンの大きさ(20.2m×27.6m)はもとより、没入感が半端ない3D映像に驚いたものです。その後、国内ではIMAX(正確にはIMAXデジタル劇場)が増えてきて、メルシャン品川シアター、109シネマズ箕面、ユナイテッドシネマとしまえん、成田HUMAXシネマズ、109シネマズ木場などでIMAX作品を楽しんできました。

現在のIMAXでは撮影機材の対応(70mmフィルムでの撮影)もそうなのですが、35mmやデジタルで撮影したものでもアップコンバートして、IMAXデジタルで上映することも可能になってきています。実際にIMAXデジタル劇場の増加とともに、例えば、邦画でもIMAX上映する作品が増えてきたのも、その現れです。しかし、IMAX70mmでの撮影されたものの情報量は凄く、普通35mmでの撮影ではフィルムを縦にロールしながら撮影するのに対し、70mmでは横にロールするために画としての繋がりがスムーズになったり、サイズが拡大することで画角が大きく取れたり、光量がより繊細になったりする効果が生まれるのです。

しかし、その70mmで撮った映像の効果を最大限発揮するのは、やはり70mmで上映できる劇場でないとできず、70mmアナログでの上映できるのは世界で見ても(天保山とかがなくなったように)少なくなってきています。その代替ではないですが、70mmの効果がデジタル的に発揮されるのが、新しく開発された次世代IMAXレーザーという技術なのです。

IMAXレーザーについては詳しくは、下記記事を参考に。
IMAX次世代レーザーとは? | 109CINEMAS IMAX
[次世代IMAX] 4Kレーザー映写機が提示する新しいIMAXデジタルシアターとは:足元の足元を広げる:So-netブログ

じゃあ、IMAXレーザーに何が変わったか。これは上記記事の引用ですが、やはり画角でしょう。

IMAX画角

通常上映のシネスコサイズ(2.35:1)に比べ、上下に拡がり、目に入る情報量が違うのです。IMAXデジタルでも、1.90:1なので通常上映される映画より画として拡がるのですが、70mm撮影された作品(1.43:1)では通常上映のほぼ2倍近くまで拡がるので空間として迫るものが違うのです。これが上映可能なIMAXレーザー館が現在(2017年11月)では大阪エキスポシティのみ。池袋に2019年開業される同じ109系列まで次は待たないと行けないので、映画マニアはしばらくは関西詣をしなければならないかなと思います(笑)。

さて、前置きが長くなりましたが、IMAXの違いをあまり分かっていなかったここ最近でしたが、これを知ってから早速上映終了になりそうなIMAX70mmで撮影された「ダンケルク」を再び鑑賞に行きました。

いやー、迫力が通常版とは違います。IMAXのスクリーンサイズ(18✕26)の縦方向18mmに一杯が1の比に、横方向1.43が加わる(約26m)ので、スクリーン一杯に画が埋め尽くされます。せり立ったスタジアム形式のところの目前にスクリーンが迫るので、まさにダンケルク港にいるような没入感。オープニング場面はダンケルクにドイツ軍が降伏扇動の紙チラシを巻くのですが、まさにその場で天から降ってくるようなのです。

ダンケルクIMAX画角

それに圧巻なのは戦闘機のシーンでしょう。もう、これは神の目線だと思ってもいい。3D上映ではないのに、もうそこに戦闘機が浮かび上がっているような圧倒的な迫力なのです。感想文で映像が凄い凄いというのは陳腐なまでに語っていますが、これは本当に凄い以外にありません。

IMAX撮影に関しては独自の機材を使わなければならず、コストも然ることながら、機材の大きさというのも懸念で、本作でも一部シーン(特に、救助に向かう民間船の中)では1.90:1での画像と組み合わせて構成されます。最初はそれほど気にならなかったのですが、後半にはいろいろな場面が矢継ぎ早に構成される部分(異なる時間軸のエピソードが混成される部分)はやや見づらさはあったかなと思います。

こうしたIMAXレーザーの効果が発揮される70mm撮影された作品は、本作のクリストファー・ノーラン監督作くらいで数はまだ少ないですが、この1.43:1の画角でのIMAX作品は一度は体験されることをオススメします(ちなみに、IMAXレーザー「ダンケルク」は2017年11月22日まで、109シネマズ大阪エキスポシティで続映されることが決まりました)。

次回レビュー予定は、「DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団」です。

コメントを残す