『ハドソン川の奇跡』:一大航空事故を奇跡に変えた男。事故中心の難しいネタを、よくぞここまで魅せる映画にした!

ハドソン川の奇跡

「ハドソン川の奇跡」を観ました。

評価:★★★★

2009年1月15日。160万人が住む極寒のニューヨーク上空で、一機の旅客機が突如全てのエンジンが航行不能となる航空事故が発生する。航空機の機長サレンバーガーは、必死の操縦で70トンものある機体をハドソン川に無事不時着させる。後に、「ハドソン川の奇跡」と呼ばれたこの航空機事故により、サレンバーガーは世間からの称賛の的となる。しかし、それとは裏腹に、国家運輸安全委員会では厳しい追及を受けるのだった。。サレンバーガー機長自身の手記『機長、究極の決断 「ハドソン川」の奇跡』を、「アメリカン・スナイパー」のクリント・イーストウッドがトム・ハンクスを主演に迎えて映画化した作品。

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『聲の形』:岐阜感が満載したイジメがテーマの意欲作!原作の持つパワーがそのまま映画版にも出ている傑作!!

聲の形

「聲の形」を観ました。

評価:★★★★★

小学生の頃に、聴覚障害を抱える転校生・西宮硝子とのある出来事を境に周囲から孤立した石田将也。高校生になった彼は、その小学生時代の孤独感を引きずり、高校となっても周囲の人間と関われなくなっていた。そんなとき、偶然同じ高校生になった硝子を見かけた将也は、硝子の元を訪れるのだが。。聴覚障害を持つ少女をめぐるドラマを描写し第19回手塚治虫文化賞新生賞ほかを受賞したコミックを、京都アニメーション制作によりアニメ映画化。監督は『けいおん!』シリーズを手がけた山田尚子。

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『オーバー・フェンス』:佐藤泰志の函館叙景最終章。三部作の中では一番入っていけなかった少し残念な作品。。

オーバー・フェンス

「オーバー・フェンス」を観ました。

評価:★★☆

家庭を顧みず、妻に愛想をつかされた白岩は、故郷・函館に戻り職業訓練校に通う。函館に戻ったものの、毎日の生活は職業訓練学校との往復という惰性的な日々を送っていた。実家とも、学校の同級生とも距離を置き、人生を半ば諦めかけた彼が、風変わりなホステス・聡と出会い、急速に惹かれていく。。「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」に続く、佐藤泰志の小説を原作にした函館発信映画最終章。監督は「味園ユニバース」の山下敦弘。

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『真田十勇士』:真田幸村が猿飛佐助によって演出されていた!? 中村勘九郎が疾走する新感覚「歌舞く」ムービー!

真田十勇士

「真田十勇士」を観ました。

評価:★★★☆

関ヶ原の戦いから10年以上経ち、徳川家康による天下統一はほぼ目前まで迫っていた。大阪城で、亡き秀吉の遺児・秀頼と、その母・淀殿は豊臣家の復興を模索すべく、家康に対して反旗を翻す。全国の浪人たちが集められる中、名将と名高い真田幸村も大阪城への入場を果たす。しかし、幸村本人は自分は本当は凡庸な武将に過ぎず、世間が引き立てる虚像との差に苦しんでいた。そんな幸村と出会った猿飛佐助は、彼を立派な武将に仕立て上げようとするのだが。。2014年上演の日本テレビ開局60年特別舞台『真田十勇士』を堤幸彦監督・中村勘九郎主演で映画化した作品。

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『怒り』:犯人の背景が少々分かりにくいのが難だが、群像ヒューマン・ドラマとしては傑出した出来!

怒り

「怒り」を観ました。

評価:★★★★☆

東京・八王子の閑静な住宅街で、夫婦が惨殺される事件が発生する。凄惨な現場を捜査する刑事たちは、ドアの裏側に被害者の血で書かれた「怒」の文字を発見する。それから1年、犯人はいまだ逃走を続けていた。事件が公開捜査となっていく中、千葉、東京、沖縄の各地で、前歴不詳の男と出会った人々がいた。最初は快く迎えていた各地の人々の間に、次第に男に対する不信感が広がっていく。。吉田修一のベストセラーミステリーを、「フラガール」が第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞を獲得した李相日監督が描く群像劇となっています。

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