『AUTOMATA オートマタ』:バンデラスも、ロボットも、渋さ抜群の作品だが、もう少しテンポをよくして欲しい、、

オートマタ

「AUTOMATA オートマタ」を観ました。

評価:★★

人類が存亡の危機を迎え、新たな労働力として開発されたA.I.搭載型ロボット”オートマタ”が存在する2044年を描いた近未来アクション。主演は、最近はスクリーンから遠ざかっている感がある、「レジェント・オブ・ゾロ」のアントニオ・バンデラス。監督は新鋭となるスペイン人監督、ガイ・イパニェス。

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『ジェンダー・マリアージュ 全米を揺るがした同性婚裁判』:いろんなことを考えさせられるが、ドキュメンタリーとしてはやや単調。。

ジェンダー・マリアージュ

「ジェンダー・マリアージュ 全米を揺るがした同性婚裁判」を観ました。

評価:★★☆

2008年、アメリカ・カリフォルニア州で合法化されていた同性による婚姻制度が州憲法修正案『提案8号』によって禁止されたの有効性を巡り、5年もの長き間戦われた訴訟を追ったドキュメンタリー。サンダンス映画祭やアカデミー賞のノミネートリストに入るなどのアメリカでは話題になった作品ですが、日本ではクラウドファウンティング(インターネット上の募金・投資による仕組み)によってようやく公開となった作品でもあります。それでも公開規模がいささか小さいのは残念ですが。。

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『ひつじのショーン スペシャル いたずらラマがやってきた!』:ラマの精巧なモデリングも見どころ! 単純な物語ながら、シンプルに楽しい作品たち!

ひつじのショーン

「ひつじのショーン スペシャル いたずらラマがやってきた!」を観ました。

評価:★★★

「ウォレスとグルミット」シリーズで知られるイギリスのクレイアニメスタジオ、アードマンアニメーションズが手がける、いたずら羊のショーンを主人公にしたクレイアニメ作品「ひつじのショーン」。紙粘土で作ったモデルを一コマ一コマ動かす、伝統的なクレイアニメなんですが、温故知新というか、どこか新しいアニメの表現方法をいつも提案してくれるアードマンの姿勢というのが見え、観ていて単純に面白いし、ショーンを始めとした動物たちと、ちょっぴりオトボケで人間らしい(笑)人間の牧場主とのほのぼのとした絆も作品中に垣間見え、心がほっこりとなるのです。本作はテレビの大ヒットを受け、テレビシリーズの中から厳選された5作品の短編と、スペシャル版として海外では放送された中編を組み合わせた劇場版となっています。

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『ヘイトフル・エイト』:タランティーノのおもてなしは感じるが、もう少し鬼気迫る迫力が欲しい

ヘイトフル・エイト

「ヘイトフル・エイト」を観ました。

評価:★★★

「レザボア・ドッグス」、「ジャンゴ 繋がれざる者」のクエンティン・タランティーノが南北戦争後アメリカの時代背景とともに描く、男女7人の密室ミステリー。密室ミステリーだといいながら、アガサ・クリスティのようなスマートな紳士ミステリーを想像したらしっぺ返しを食らいます(笑)。精巧な映像構成を使いながらも、最後の最後はお決まりともいえる血みどろの決死劇になっていくのは、如何にもタランティーノ作品らしい味わいを醸し出してくれる良作となっています。

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『サウルの息子』:この映画の読後感は「地獄の黙示録」と同じもの。強烈な生物と人間臭を放つ傑作!

サウルの息子

「サウルの息子」を観ました。

評価:★★★★★

昨年(2015年)のカンヌ国際映画祭で、審査員特別賞に当たるグランプリを獲得し、今年(2016年)の第88回アカデミー賞では最優秀外国語映画賞にも輝いたハンガリー映画。舞台となるのは、1944年のアウシュビッツ=ビルケナウ収容所。ここでユダヤ人でありながら、ドイツ軍の指揮の下、同胞の屍体処理や収容管理を行うゾンダー・コマンドという選ばれたユダヤ人たちを描いたドラマとなっています。主役のサウルを演じるのは、詩人としても活躍しているルーリグ・ゲーザ。監督はハンガリーの新鋭監督、ネメシュ・ラースローが務めています。

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