『スティーブ・ジョブズ』:ジョブズという人となりを、3つのターニングポイントのみで描き出す意欲作!!

スティーブ・ジョブズ

「スティーブ・ジョブズ」を観ました。

評価:★★★★☆

Appleの創始者として、また近年見る類まれないイノベータとして、亡くなった今でも世界中から注目され続ける男・スティーブ・ジョブズの生き様を、Appleとジョブズとを体現する3つの重要な新製品発表会の裏幕劇という面白い形で描いた作品。ジョブズの半生を描いた作品としては、アシュトン・カッチャー主演で2013年に公開された同じタイトルの「スティーブ・ジョブズ」という作品がありますが、あの2013年公開版が伝記映画としては正統派。本作は、ジョブズの人生の中で3つの重要なターニングポイントのみを描くことで、ジョブズという人の考え方や、パーソナルな人生観を浮き彫りにしていく異色な作品となっています。主演には「それでも夜は明ける」のマイケル・ファスペンダー、彼を支える秘書役に「タイタニック」のケイト・ウィンスレット(本作で、アカデミー賞助演女優賞ノミネート)、監督は「スラムドッグ・ミリオネア」のダニー・ボイルが務めています。

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『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』:アメリカ住宅事情を地味に描く、見応えのある社会派作品!

ドリームホーム

「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」を観ました。

評価:★★★★

ジョセフ・E・スティグリッツの著書『世界の99%を貧困にする経済』をベースにし、住宅ローン返済不能に実際に陥った人々のエピソードを織り込みながら、一本の作品にした人間ドラマ。近年、なかなかこの手のドラマはない感じがしてすごく新鮮でしたが、ジャンル的にはドキュメンタリー調なドラマでもあり、「ザ・ファーム 法律事務所」のようなサスペンス要素(法廷ものではないですが、、)も若干感じられる社会派作品になっています。愛する我が家を失い、ひょんなことから取り立て屋側に立つことになる主人公デニスを、「アメイジング・スパイダーマン」の若手アンドリュー・ガーフィールドが、取り立てをしながら巨大な不動産ビジネスを牛耳ろうとするブローカーをマイケル・シャノンが演じています。監督は、「チェイス・ザ・ドリーム」のラミン・バーラニ。

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『キャロル』:1人の美しく、哀しく、妖艶な生き方をする女性の物語

キャロル

「キャロル」を観ました。

評価:★★★

「太陽がいっぱい」などの映画化作品が知られる小説家パトリシア・ハイスミスの原作小説を、「エデンより彼方へ」のトッド・ヘインズ監督が映画化した作品。主演には「エリザベス」などで知られるアカデミー賞俳優のケイト・ブランシェット、ブランシェット演じる妖艶な女性キャロルに惹かれる女性を、「ドラゴン・タトゥーの女」のルーニ・マーラが務めています。

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『俳優 亀岡拓次』:役者陣の演技は見応えがあるが、抽象的な世界観が少し邪魔な要素になっている。。

俳優 亀岡拓次

「俳優 亀岡拓次」を観ました。

評価:★☆

名エキストラ、名脇役俳優として、キャリアを積み重ねてきた俳優・亀岡拓次。彼がふとしたことから恋に落ち、仕事に、恋に奮起し始めることから、思わぬ方向に人生が転がっていく様を描いた人生喜劇。主演・亀岡を演じるのは、舞台俳優としても長く活躍し、TVドラマや映画でも、本作の亀岡のような脇役も準主役も強烈な個性で演じる安田顕、亀岡が恋に落ちる居酒屋のバツイチ娘を麻生久美子、監督は「ウルトラミラクルラブストーリー」以来のメガホンとなる横浜聡子が務めています。

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『オデッセイ』:邦題だけは唯一不満だが、あとは満点評価できる傑作!!

オデッセイ

「オデッセイ」を観ました。

評価:★★★★★

IMAX3Dの字幕版にて。

アンディ・ウィアーのベストセラーSF小説「火星の人」を、「エイリアン」のリドリー・スコット監督が映画化した作品。僕は、この作品の原作小説をたまたま買っていて、冒頭少しだけ読んで、そのままにしていたのですが、映画公開に合わせて、再度読んでみたら、これが面白いこと半端ない。普段は小説はあまり読まない僕でも、これだけ引きこまれたので原作の面白さは折り紙つき。原作はリアルスティックなSF小説なのですが、それを一種のサバイバル作品として、この映画版も見事に昇華された作品になっています。

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